2026年分(令和8年分)は、家内労働者等に該当し、実際の必要経費が少ない場合でも、所得計算上の必要経費を最大69万円まで認める特例があります。ただし、すべてのフリーランスが自動的に使える制度ではありません。
対象になる「家内労働者等」とは
国税庁は、家内労働法に規定する家内労働者のほか、外交員、集金人、電力量計の検針人、特定の者に対して継続して人的役務を提供することを業務とする人などを対象として案内しています。
不特定多数の顧客から単発で仕事を受ける一般的なフリーランスは、契約形態だけで対象と判断できません。「取引先が一社だから必ず対象」「在宅で仕事をしているから対象」とは限らないため、仕事内容と契約関係を確認します。
69万円がそのまま控除されるわけではない
特例は所得控除ではなく、事業所得または雑所得を計算する際の必要経費に関するものです。実際の経費が69万円以上なら実額経費で計算します。給与収入がある場合や、事業所得と雑所得の両方がある場合は調整計算が必要です。
| 状況 | 確認点 |
|---|---|
| 実際の経費が69万円未満 | 要件を満たせば特例による必要経費を検討 |
| 実際の経費が69万円以上 | 実額経費を基に計算 |
| 給与収入もある | 給与収入額との調整が必要 |
| 複数の所得がある | 特例額の配分・計算方法を確認 |
帳簿と領収書は不要にならない
特例を使う可能性があっても、売上、入金、取引先、実際に支払った経費の記録は必要です。実額経費の方が大きいか比較するためにも、通信費、材料費、交通費、外注費などを帳簿へ記録します。
「69万円までは領収書なしで経費にできる」という意味ではありません。対象者であること、収入区分、給与収入の有無などを確認し、確定申告書で正しく計算します。
申告前のチェックリスト
- 仕事内容と契約先を説明できる契約書・発注書がある
- 取引先別の売上と入金が一致している
- 実際の必要経費を漏れなく集計している
- 給与収入や他の事業・雑所得を確認している
- 前年と金額が変わっている場合、適用年分を確認している
副業や小規模な業務でも記帳が必要か迷う場合は、20万円以下・白色申告を含む帳簿作成の考え方も確認してください。
よくある質問
在宅フリーランスなら全員使えますか?
いいえ。家内労働者等の範囲に該当するかを、仕事内容や契約関係で判断します。
69万円の領収書を用意する必要がありますか?
特例額と同額の領収書を用意する制度ではありません。ただし売上・実額経費の記帳と資料保存は必要です。
2025年分も69万円ですか?
適用年分によって金額が異なります。申告する年分の国税庁資料を確認してください。
出典
- 国税庁「No.1810 家内労働者等の必要経費の特例」(2026年4月1日現在/2026年9月20日確認)
- 国税庁「家内労働者等の必要経費の特例に関する計算例」(2026年4月1日現在/2026年9月20日確認)
本記事は一般的な情報提供です。対象者判定、所得区分、給与収入との調整は税理士または所轄税務署へご相談ください。