食料品の消費税1%はいつから?個人事業主のレジ・帳簿・インボイス対応

公開日:2026年9月16日

食料品の消費税率を、現在の8%から1%へ引き下げる基本方針が示されています。開始時期は2027年4月1日、期間は2年間とされています。

ただし、2026年9月15日時点では、税率を変更する法律の成立前です。「来年から必ず1%になる」と決めつけず、今後の法案・国会審議・国税庁の案内を確認する必要があります。

この記事では、食料品の消費税1%がいつから始まる方針なのか、「実質ゼロ」とは何が違うのか、食品を販売・仕入れする個人事業主が準備することを整理します。

食料品の消費税1%はいつから?

政府が示している基本方針は、次のとおりです。

項目 現在示されている方針
開始時期 2027年4月1日
期間 2年間
税率 現在の8%から1%へ
対象 現在、軽減税率の対象となっている飲食料品
外食・酒類 現在は軽減税率の対象外。最終的な取扱いは成立する法律と国税庁の案内を確認
確定状況 政府の基本方針。関連法案は未成立

2026年6月の段階では、内閣府は「制度の方向性が現時点で決定されたということではない」と説明していました。その後、政府は2027年4月から2年間、飲食料品の税率を1%にする基本方針をまとめています。

基本方針が決まったことと、税制改正が成立したことは同じではありません。実施日、対象商品、請求書の記載方法、経過措置などは、法律成立後の一次情報で改めて確認してください。

なぜ0%ではなく1%なのか

今回の方針は、店頭で適用する消費税率を1%に引き下げ、中低所得者などに1%相当分の給付を組み合わせて、家計負担を「実質ゼロ」に近づける考え方です。

  • 買い物時の税率:1%とする方針
  • 家計の負担:一定の対象者に給付を組み合わせ、実質ゼロを目指す方針

すべての商品が店頭で非課税になるという意味ではありません。また、給付の対象者、所得基準、金額、手続方法には未確定の部分があります。

1%になる予定の商品

現在の基本方針は「軽減税率の対象となっている飲食料品」を対象としています。現在の軽減税率制度では、酒類・外食を除く飲食料品などに8%が適用されています。

対象になると考えられるもの

  • スーパーやコンビニで購入する食料品
  • 持ち帰りの弁当・総菜
  • テイクアウトの飲食料品
  • 人の飲用・食用に供される飲料

現在の軽減税率では対象外のもの

  • 酒類
  • 店内飲食
  • ケータリングなど一定の「食事の提供」
  • 医薬品・医薬部外品

同じ弁当でも持ち帰りと店内飲食では、現在の税率区分が異なります。食料品の税率が1%になると税率差がさらに大きくなるため、販売時の判定とレジ設定がより重要になります。

詳しい現行区分は、国税庁「No.6102 消費税の軽減税率制度」で確認できます。

価格はいくら下がる?

税抜価格が変わらず、8%から1%へ引き下げられた場合の単純計算は次のとおりです。

税抜価格 現在の8% 1%になった場合 差額
1,000円 1,080円 1,010円 70円
5,000円 5,400円 5,050円 350円
10,000円 10,800円 10,100円 700円

実際の販売価格は仕入価格、人件費、物流費、価格設定によって決まります。税率が7ポイント下がっても、税込価格が必ず同じ割合で下がるとは限りません。

個人事業主の経理は何が変わる?

食料品を販売する事業者だけでなく、飲食店、食品製造、ネットショップ、仕出し、農業、イベント販売など、食料品を仕入れる事業者にも影響があります。

1.レジ・ECサイトの税率設定

現在の8%の商品を1%へ切り替える設定が必要になります。店内飲食10%とテイクアウト1%を扱う店舗では、注文方法に応じた税率選択が正しいか確認しなければなりません。ネットショップでは、商品マスター、送料、セット商品、定期購入、クーポン使用時の計算なども確認対象です。

2.請求書・領収書の税率表示

インボイスでは、税率ごとに区分した金額や消費税額などを記載します。1%が施行される場合、請求書作成システムやテンプレートの更新が必要になる可能性があります。

最終的な記載方法は、改正法成立後に国税庁が公表する案内を確認してください。現在のインボイス制度については、請求書を修正・再発行したときの帳簿と保存方法も参考にしてください。

3.会計ソフトの税区分

食料品の売上・仕入に新しい税区分が追加される可能性があります。自動連携だけに任せず、施行日前後の取引が正しい税率で取り込まれているか確認が必要です。特に、レシートに1%・10%の商品が混在する場合や、カード明細から自動登録する場合は注意してください。

4.消費税の納付額と資金繰り

原則課税では、売上時に預かった消費税から、仕入れや経費で支払った消費税を差し引いて納付額を計算します。食料品の売上税率が下がる一方、家賃・広告費・外注費などが10%のままであれば、納付額や還付の状況が大きく変わる可能性があります。

簡易課税やインボイス登録に伴う特例を利用している事業者では、影響の出方が異なります。税率変更だけを理由に課税方式を変更せず、売上構成・仕入構成・適用期間を含めて税理士へ確認してください。

消費税の基本的な仕組みは、個人事業主の消費税とインボイスの特例で解説しています。

個人事業主が今から準備しておくこと

法案成立前に高額なシステム改修を確定する必要はありません。まずは次の準備を進めると、制度が決まった後に対応しやすくなります。

  1. 1%になる可能性がある商品を一覧にする
    現在8%で販売・仕入している商品を、店内飲食・酒類・その他の商品と分けます。
  2. レジや会計ソフトの対応予定を確認する
    利用中のサービス会社から税率変更の案内が出るか確認します。
  3. 請求書・領収書のテンプレートを確認する
    税率が固定入力になっていないか、複数税率に対応できるかを確認します。
  4. 施行日前後の取引を分けられるようにする
    売上日、発送日、引渡日など、どの日を取引日としているか整理します。
  5. 現在の課税方式を確認する
    原則課税、簡易課税、免税、インボイス登録後の特例など、自分がどの方法で申告しているかを把握します。

今すぐ税率を1%へ変更してはいけません。

現行制度では、酒類・外食を除く飲食料品の税率は8%です。正式な施行日までは現在の税率で処理します。

税率変更後の帳簿作成が不安な方へ

1%・10%の取引が混在すると、レシートや請求書の税率を分けて帳簿へ反映する必要があります。領収書入力や税区分の確認に時間を使いたくない方は、帳簿作成から確定申告までまとめて任せる方法があります。

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食料品の消費税1%に関するよくある質問

食料品の消費税1%は決定しましたか?

政府の基本方針は示されていますが、2026年9月15日時点では関連法案の成立前です。施行内容は今後の国会審議で変わる可能性があります。

いつから1%になる予定ですか?

現在の方針では、2027年4月1日から2年間です。

食料品はすべて1%になりますか?

現在の軽減税率対象となっている飲食料品を1%にする方針です。現行制度では酒類と外食は軽減税率の対象外です。最終的な対象範囲は成立する法律と国税庁の案内を確認してください。

消費税ゼロと1%は同じですか?

同じではありません。店頭で適用する税率は1%とし、対象者への給付を組み合わせて「実質ゼロ」を目指す方針です。

個人事業主は今すぐ何をすればいいですか?

現在8%で処理している商品を整理し、レジ・ECサイト・会計ソフト・請求書が税率変更に対応できるか確認してください。税率自体は正式な施行日まで変更しません。

まとめ

  • 食料品の消費税率を2027年4月1日から2年間、8%から1%へ引き下げる基本方針
  • 1%相当の給付を組み合わせて「実質ゼロ」を目指すが、店頭税率が0%になるわけではない
  • 2026年9月15日時点では法案成立前で、詳細は変更される可能性がある
  • 個人事業主はレジ、EC、請求書、会計ソフト、税区分の準備が必要
  • 正式な施行日までは、現行の8%・10%で処理する

出典・確認資料

  • 内閣府「城内内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和8年6月19日」公開日:2026年6月19日、確認日:2026年9月15日
    内閣府の公表資料
  • 国税庁「No.6102 消費税の軽減税率制度」更新日:2025年4月1日、確認日:2026年9月15日
    国税庁の軽減税率制度
  • 財務省「『軽減税率制度』について教えてください。」確認日:2026年9月15日
    財務省の軽減税率Q&A
  • Reuters「Japan to sidestep funding in tax cut outline, keep fiscal concerns alive」公開日:2026年9月15日、確認日:2026年9月15日
    2026年9月15日の最新報道

本記事は2026年9月15日時点の公表情報に基づく一般的な解説です。個別の消費税申告、課税方式、インボイスの判断は、所轄税務署または税理士へご相談ください。

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本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断や申告については、税理士または所轄税務署へご相談ください。