電子帳簿保存法で個人事業主は何をする?

公開日:2025年9月30日 / 更新日:2026年9月22日

個人事業主が電子帳簿保存法で最初に確認すべきことは、「すべての紙をスキャンすること」ではありません。メール、クラウドサービス、ECサイトなどで受け取った請求書や領収書を、電子取引データとして保存することです。

電子帳簿保存法の3つの区分

電子帳簿保存制度は、大きく次の3つに分かれます。

  1. 会計ソフト等で作成した帳簿・書類をデータで保存する電子帳簿等保存
  2. 紙で受け取った書類をスキャンして保存するスキャナ保存
  3. 電子メールやウェブで授受した取引情報をデータで保存する電子取引データ保存

電子帳簿等保存とスキャナ保存は、要件を満たして利用する制度です。一方、所得税法等で保存義務がある方が電子取引を行った場合、その取引データの保存が必要です。

電子取引に該当する例

  • メールに添付されたPDF請求書
  • ECサイトからダウンロードした領収書
  • クラウド請求書サービスで受け取った請求書
  • インターネットバンキングの振込明細
  • カード会社のウェブ明細
  • アプリ内で受け取った利用明細

画面で確認できるだけでは、保存期間中に閲覧できなくなる可能性があります。サービスの保存期間を確認し、必要なデータをダウンロードしましょう。

紙へ印刷するだけでよい?

電子取引で受け取ったデータは、原則としてデータのまま保存します。印刷した紙を補助的に利用しても、元の電子データを削除しないようにします。

紙で受け取った領収書は、従来どおり紙で保存できます。スキャナ保存を利用する場合は、解像度、入力期間、訂正削除の管理など所定の要件を確認します。

保存ファイルを探せる状態にする

取引日、金額、取引先からデータを検索できるようにします。会計ソフトや文書管理システムの検索機能を使うほか、国税庁が公開する索引簿の例を参考にする方法もあります。

小規模事業者には検索要件の一部が不要となる措置がありますが、税務職員からの求めに応じてデータを提示・提出できる状態などの要件があります。自分が該当するかを確認してください。

実務で続けやすい保存手順

  1. 電子取引を受け取る場所を一覧にする
  2. 月ごとの保存フォルダを決める
  3. ファイル名を「日付_取引先_金額」に統一する
  4. 会計ソフトの仕訳と証拠資料をひも付ける
  5. 定期的にバックアップする
  6. 解約予定サービスから必要データを出力する

保存だけ行っても、帳簿へ正しく記帳されていなければ申告数字へ反映されません。

FAQ

スマホで撮影した領収書だけ残せば紙を捨てられますか?

紙原本を廃棄するにはスキャナ保存の要件確認が必要です。撮影しただけで直ちに廃棄できるとは限りません。

カード明細だけ保存すれば十分ですか?

購入内容や税率を確認できないことがあります。利用先の領収書・請求書も保存してください。

保存期間は何年ですか?

申告方法や資料の種類により5年または7年など異なります。国税庁の保存期間表で確認してください。

注意:電子保存の適用可否は、受領方法、システム、事業規模等で変わります。所轄税務署または税理士へご確認ください。

出典

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運営・執筆:WorkLifeSupport

本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断や申告については、税理士または所轄税務署へご相談ください。