令和5年度の個人事業主に対する税務調査の実態
国税庁の発表によると、令和5事務年度(2023年7月~2024年6月)に行われた税務調査のうち、個人事業主が全体の約4割を占めています。特に、青色申告をしている事業者や、売上に比べて経費が多い事業者が重点的に調査されました。
調査方法別では、実地調査が約2万件、書面調査が約4万件行われ、反面調査も多数実施されています。調査件数の大半は書面調査ですが、追徴課税額の大部分は実地調査から発生しているのが実態です。
調査対象者の割合では、およそ20人に1人程度の事業主が調査を受けているとされ、その中でも無申告のケースが多く指摘されています。特に無申告調査は件数が増加しており、全体の中で大きな割合を占めています。
令和5年度の個人事業主に対する追徴課税総額は1,398億円に達し、1件あたりの平均は約110万円でした。主な指摘事項は売上計上漏れ、必要経費の計上誤り、消費税処理の誤りなどです。
また、税理士が関与している申告は全体のうち約2割というデータもあるくらいです。税理士が関与している場合、調査件数自体が減少する傾向があり、誤りの件数や追徴額も少なくなるという実態があります。逆に言えば、税理士が関与していないケースが依然として多く、税務リスクが高まっているのが現状です。
出典: 国税庁「令和5事務年度における所得税及び消費税調査の概要」
税務調査の目的
税務調査は、確定申告が適正に行われているかを確認することが最大の目的です。特に、売上の計上漏れや私的支出を経費に入れていないかなど、個人事業主が誤りやすいポイントが重点的に見られます。
税務調査の方法
税務調査は「税務署員が自宅や事務所に来る」だけではありません。個人事業主の場合、次のような方法で調査が行われます。
- 書面調査…申告内容に疑問がある場合に、質問票や資料の提出を求める方法。規模の小さい事業主に多い。
- 反面調査…取引先や銀行に照会して、売上や経費が正しいか確認する方法。
- 実地調査…税務署員が訪問し、帳簿や領収書、通帳などを直接確認する方法。
このように、調査は必ずしも訪問に限らず、書面や外部からの照会によって行われることも少なくありません。
税務調査の種類
- 任意調査…一般的な調査で、事前に連絡があり日程を調整して行われます。
- 強制調査(査察)…悪質な脱税が疑われる場合に裁判所の令状を得て行われる調査。個人事業主では稀です。
個人事業主が狙われやすいケース
- 売上の入金と帳簿の数字に差がある
- 現金商売で売上除外の可能性がある
- プライベートな支出を経費に入れている
- 副業収入を申告していない
- 過去に修正申告が多い
調査で確認される主なポイント
- 帳簿と通帳の入出金が一致しているか
- 売上の計上漏れがないか
- 必要経費が事業に関連しているか
- 源泉所得税や消費税の処理が正しいか
税務調査への準備
個人事業主は日々の取引が生活費と混ざりやすいため、特に帳簿管理が重要です。税務調査に備えて、次の点を意識しましょう。
- 領収書や請求書を用途ごとに整理して保管する
- 現金取引は必ず帳簿に記録する
- 事業用口座と生活費口座を分ける
- 不明点は税理士に相談して早めに解決する
まとめ
個人事業主にとって税務調査は珍しいことではなく、売上や経費の記録があいまいな場合に重点的に調査されます。令和5年度では全体で1,398億円の追徴課税が行われ、およそ20人に1人が調査対象となりました。無申告のケースも増加傾向にあり、税理士の関与は全体の約2割にとどまるため、税務リスクを抑えるには専門家のサポートが重要です。普段からの記帳と税理士への相談が、安心経営のために欠かせません。
当社は国税出身の元税務調査官だった税理士が税務申告を担当し、帳簿もダブルチェックします。税務調査に精通しているので、リスクある取引もしっているし、税法にくわしいのは言うまでもありません。追徴課税のリスクを最低限に抑え、調査にも対応してくれるので、安心した申告書を作成することができます。
参考: 国税庁「令和5事務年度における所得税及び消費税調査の概要」、国税庁「税務調査手続き」
